最近のこと

2018年06月29日

おはようございます

夏真っ盛りというような気候ですが、まだ6月なんですよね。梅雨の気配は全く感じられない朝です。

そして今年も盛大に開催されていますインターフェックス2018、本日が最終日ですね。私は初日に行って来ました。

今年は物流関連から離れて、IoTや見える化、Pharma4.0、連続生産をキーワードにプロセス管理システムや製造設備などに注目してきました。

現在、他業界を含む製造業全体で工場のモダナイゼーションが進んでいます。ドイツの国家プロジェクトIndustry 4.0はまさにそこをターゲットとしていますね。その中で日本の製薬業界はどのような状況なのかなと偵察してきたわけですが、個人的には「まだまだ様子見で海外の事例待ちになっているな」という印象を受けました。

今回のインターフェックスでも、至る所で設備のIoT化による製造データ収集ツールが紹介されていたのですが、収集したデータを活用する仕組みを構築しきれていないようでした。これには積極的に最新技術を紹介していこうとするベンダーの姿勢だけではなく、
前向きに課題を改善していこうとする製薬会社さんの姿勢も重要になってくるのではないかなと思っています。



(08:30)

2018年01月15日

こんにちは

この日曜日、自動車免許の更新に行ってきました
優良講習だったので、眠気を感じることなく、あっという間の30分でした。

今日はそこで紹介されていて興味深かったことをひとつご紹介してみたいと思います。

昨年の道路交通法の改正では、近年増加していた小型トラックによる事故削減を目的に「普通」区分の車両総重量を下げ、その代りとして、「準中型」という区分が新設されたそうです。そしてさらに、この「準中型」を設けることにより、今までは「中型」として20歳以上しか運転できなかった特定の車両総重量の貨物自動車を18歳から運転することができるようになりました。


興味深いのはここからです。なぜこのような改正が必要だったのかというと、どうやら世の中の物の流れ、物流の変化が理由の一つにあるようです。

最近は、買い物と言えばインターネットショッピング!という人が多くなり、このブログでも度々取り上げていますが、運送会社の負担が非常に高まってきています。そしてもちろん、その現場では小型のトラックが大活躍しています。小型トラックの事故増加の背景には、このような事情があったものと思われます。とはいえ、配送ドライバーの人材不足も深刻な問題となっている昨今、小型トラックの運転を18歳から可能とすることにより、若手の人材確保につなげようというのも目論見としてあるようです。

道路交通法にまで影響を与えてしまう今の物流業界、まだまだ時代の過渡期、これからどのようになってゆくのか、期待半分、不安半分で見守っていきたいと思います。





(15:04)

2017年11月16日

こんにちは

今日は緊急で日本版GDPガイドライン(※)についての最新情報をご紹介します。

先日より度々取り上げている「医療用医薬品の偽造品流通防止のための施策のあり方に関する検討会」の第6回が11/10に開催されました。そしてその中で、厚生労働省より、GDPを「自主的取り組み」にて導入することが提案され、合意されたようです。

報道機関からの情報なので正式な議事録を待ちたいところですが、GDP対応への流れが少し停滞するのではないかなという印象です。

近々、こちらの厚生労働省のHP上に検討会での資料や議事録が掲載されるかと思いますので、ご興味ある方は度々覗きに行ってみてはいかがでしょうか。

本件の行方は、各社さんのGDP対応方針に大きく影響するだろうと考えられますので、今後もしばらく注視していきたいと思っています。

※GDPとは、
Good Distribution Practice:医薬品の物流に関する基準





(11:37)

2017年10月31日

こんにちは

今日はハロウィンですね。
あまりなじみのないイベントなので、、、ささっと次の話題に移り、

日曜日に開催された横浜マラソンの結果をご報告、ここで完走メダルを自慢させてもらおう、、、
と企んでいたのですがまさかの展開、なんと、台風の影響で横浜マラソンが中止となってしまいました

日本一高い参加費が返金されないのももちろん悔しいのですが、何よりもこの日に向けて調整してきた努力が報われなかったのが本当に残念です。

数か月後また別の大会に参加する予定なので、そこで今回のリベンジを果たしたいと思います。




さて、真面目に業務の話題へと移り、今日のテーマは偽造医薬品対策についてです。

厚生労働省主管の
「医療用医薬品の偽造品流通防止のための施策のあり方に関する検討会」が10月19日に再開されたようです。過去にもこちらこちらでご紹介していたので、覚えていらっしゃる方もいるかもしれませんね。

前期では早急に対応すべき措置が中間報告としてまとめられ、その結果として「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則の一部を改正する省令」「薬局等構造設備規則の一部を改正する省令」が改正され、平成29年10月5日に公示されました。
くわしくは、こちら↓
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000181378.pdf


今後は以下の検討がなされるとのことですので、この検討結果が日本版GDPガイドラインにも反映されるのではないかなと予想しています。

1.流通過程における品質の確保等に向けた検討
2.規制の法令上の位置付けのあり方の検討
3.封かん方法等に係る適切な情報共有に関するルール作りに向けた検討
4.一連のサプライチェーンにおける共通ルールの策定に向けた検討
5.情報システムの整備に向けた検討


次回の検討会は11/10に開催されるようです。
こちらの厚生労働省のHPで傍聴申込方法が公開されるかと思いますので、ご興味のある方はちょくちょく覗きに行ってみてはいかがでしょうか。




(15:27)

2017年09月08日

こんにちは

今日は、先日ツイッターでリツイートした話題からひとつ、池袋西口が生まれ変わります
というニュースも気になるところですが、その話題ではなく、、、

日本ではドラッグストアなどで普通に販売されている目を洗浄する医薬品が、カナダでは大変なことになっています

Health Canada(カナダ保健省)から「否認可の処方箋製品****が深刻な健康危害を引き起こすかもしれません」と警告が出されているのです。

どうやら、処方箋が必要な成分が含まれており、カナダでは承認されていないにもかかわらず小売店やネットで販売されているようです。ご丁寧にパッケージの写真まで掲載されていて、日本人の私から見ると全く怪しいところは見当たりません。とはいえ、日本語しか記載されていない医薬品がカナダで入手できるという事実自体は、とても怪しむべき状況ですよね。。。

頭では理解していたことですが、たとえ日本では承認を受け正々堂々と販売されている医薬品であっても、承認を受けていない国ではこんな扱いを受けてしまうんだと目の当たりにしてとても残念に感じました。

製薬業界ではICHやPIC/Sなどでグローバル化が積極的に取り組まれていますが、本当に難しい課題なんだなと改めて気付かされました。


参考:Health Canadaのサイト
http://healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2017/64326a-eng.php






(16:26)

2017年07月24日

こんにちは

今日はオープン・システムのシリーズをお休みして、セキュリティ関連のお話です。

皆さまもご存知のように、情報セキュリティの世界は日々刻々と急速に変化し続けています。
(ちょっと大げさな前置きとなってしまいましたが...)

私も世の中の動向に取り残されないように、IPA (独立行政法人情報処理推進機構)のメールニュース配信に登録して情報収集に努めているのですが、先日、気になる脆弱性の連絡が届きました。


法人向けバッファロー製の無線LANアクセスポイント(WAPM-1166DおよびWAPM-APG600H)で、認証不備の脆弱性が報告されました。
詳細はこちらからご確認ください。
https://jvn.jp/jp/JVN48823557/index.html


また、バッファローのHPからそのまま引用させてもらうと、
「第三者によって、認証せずに当該製品の設定機能にアクセスされる可能性があります。
結果として、設定機能で使用可能な任意の操作を実行される可能性があります。」
とのことで、対策としては、「最新のファームウェアにアップデートすること」が必要だそうです。

工場や倉庫などに設置されているアクセスポイントは、一度設置するとトラブルがない限り何年もほこりをかぶって放置されているような状況も多いかと思います。

今後も今回のようなセキュリティに関わる脆弱性が報告される可能性は少なからずあるだろうと思いますので、自社で使用している製品についてファームウェアが最新の状態となっているかどうか、定期的に確認するようにしてもらえると安心かなと思います。





(11:38)

2017年07月14日

こんにちは

先日、東京都医工連携HUB機構主催の「ISO 13485入門セミナー」に行ってきました。

通常、このような専門的なセミナーは数万円かかるのが当たり前なのですが、公的機関が主催ということもあり無料での開催、そして、有料のセミナーと変わらないくらい、もしくはそれ以上の充実した内容で、掘り出し物を見つけたお得な気分で受講してきました。

医療機器の品質に対する要求事項としては、厚生労働省の「QMS省令」やアメリカFDAの「QSR(Quality System Regulation」、そして今回受講してきた「ISO 13485」が挙げられます。日本国内ではやはり、「QMS省令」が規制当局の要求事項となるため、「QMS省令」に適合するようマネジメントシステムを構築している会社さんが多のではないでしょうか。

実は、そういった背景もあり、個人的にはISO 13485にあまり注目してきていませんでした。そのため、恥ずかしながら、2016年3月に
「ISO 13485:2016」が発行されたこともやっと知った次第です。

さてさて、肝心なセミナーのお話に移りますと、今回のセミナーで個人的に注目した点は、2016年版における大きな変更のひとつに、
「コンピュータソフトウェアのバリデーション」の対象が拡大されたということがあります。

ここでは、


「製品だけでなくQMS(品質マネジメントシステム)で使用するコンピュータソフトウェアも対象となり、ソフトウェアのリスクに応じてバリデーションを実施する」

ことが要求されています。

すべてのソフトウェアに対してバリデーションが要求されているわけではありませんが、少なくとも「
ISO 13485:2016」を取得する医療機器メーカー様は、ソフトウェアのリスクアセスメントを実施してソフトウェア毎にバリデーションの要否を判断し、その妥当性を記録に残さなければならないということです。

とうとう、医療機器業界にもCSVの波がやってきました!!今後の盛り上がりが楽しみです



(14:27)

2017年07月05日

こんにちは


先週の木曜日、インターフェックスに行ってきました!
今回は、IT、物流、製造関連エリアを中心に見てきました。

ITエリアでは、
キーワードとして「DI(データインテグリティ)」を目にすることが多いかなと予想していたのですが、印象に残るほどではありませんでした。DIはシステムベンダー側でどうにかするというよりは、製薬会社側の運用や管理で対応すべきことだからかもしれませんね。


物流エリアでは、どこもかしこも「GDP」でした。日本版ガイドラインも今年度には何らかの動きがあるだろうと言われていますので、まだまだ注目され続けるだろうキーワードですね。偽造品対策については、今年はあまり大々的に扱われていませんでしたが、来年には色々なソリューションが出ているだろうなと予想します。

製造エリアでは、設備とともに製造実行管理システム(MES)を中心としたITシステムも数多く紹介されているため、CSVの観点からも興味のある出展社さんが勢ぞろいでした。



とても偏りのある視点からてしたが、以上が2017年のインターフェックスのご報告でした。



(12:09)

2017年06月16日

こんにちは

本日のテーマは、「医療機器再利用制度」についてです。

カテーテルなどの使い捨て医療機器の再利用を7月にも厚生労働省が制度化するようです。

詳しくはこちら(日本経済新聞)やこちら(朝日新聞)の記事をご覧ください。


一昔前までは医療機器の使い回しが問題になっていたような記憶もあったので、時代を逆行?!という驚きから始まり、記事を読み進めていってみるとやはり制度化の背景には禁止されている医療機器の使い回し問題があるようです。

簡単に整理してみると、危険な使い回しをされるくらいなら、安全に使い回しをしてもらうために、許可制にしてしまおうという発想です。

今まで単回利用とされていた医療機器を回収し、洗浄・滅菌などをして「再製造品」として再度、病院などの医療機関に流通させることができるようになります。
そして、この過程を医薬品医療機器総合機構(PMDA)が立ち入り調査をし、患者さんの安全性を確保するようです。ということは、「再製造品」を製造する企業は、通常の医療機器と同等(またはそれ以上)の品質保証をしていかなければならないだろうということが容易に想像できますね。

①在庫管理システムのCSV対応
医療機器再利用の流れの中でとても重要になってくるのが、洗浄・滅菌前後の医療機器をしっかり区別して管理することだと思います。そのためには、一般(新規)の医療機器以上に在庫管理において細心の注意が必要となり、在庫を管理するシステムの信頼性に対する要求も高まります。


②設備やシステムのバリデーション
洗浄工程、品質管理工程、品質保証工程など、重要な工程で使用する設備やシステムについては、やはり、バリデーションが必要となるだろうと思われます。特に品質管理については、新品ではないものを取り扱うということで、良品・不良品の判定項目が多岐にわたることも想定されます。患者さんの安全という観点からリスクを見極めてバリデーションを計画することが必要となりそうです。

医療機器の再利用制度、今後どのように進められていくのかとても気になります。これからも時々チェックしていってみようと思います




(11:36)

2017年05月15日

こんにちは

先週の金曜日、Japan 
IT Weekで話題となっていたランサムウェアについて書いてみたのですが、、、


その日のうちに世界規模のサイバー攻撃が発生し、なんとそれがランサムウェアによるものだったようです。

ということで、今回は急遽、その最新のニュースをテーマに取り上げてみたいと思います。

問題となっている「Wanna Cryptor」というランサムウェア
は、感染するとそのパソコン内のファイルを暗号化して使えなくしてしまい、元に戻すための身代金として300ドル相当のビットコインを要求するようです。(注:身代金を支払っても元に戻るかはわかりません)

被害を受けているパソコンは、Windowsのサポートが切れた古いOSを使用しているパソコンやサーバのようです。

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)でもすぐに情報を開示し、下記のウェブページでは今回の対策も挙げられています。
https://www.ipa.go.jp/security/ciadr/vul/20170514-ransomware.html

1.不審なメールの添付ファイルの開封やリンクへのアクセスをしない
2.脆弱性の解消 - 修正プログラムの適用
3.ウイルス対策ソフトの定義ファイルを更新する


前回のブログでもランサムウェアの対策として触れていましたが、どれも基本的なウイルス対策ですね。

しかし簡単にウイルス対策といえども、パソコンの台数が増えてしまった昨今、
コストとの兼ね合いもあり全てに十分な対策を施すことが難しくなっているのではないかなと思います。


外部ネットワークと頻繁に通信するパソコンについては十分に管理を行っていたとしても、外部ネットワークと切り離された工場のネットワーク内では、今回ターゲットとなったWindows XPやWindows Server 
2003が使用されていることも多いのではないでしょうか。

管理上は外部と切り離された閉鎖的なネットワークだったとしても、USBメモリを他のネットワークのパソコンと共有するなど、本来禁止されている運用をユーザが行うことで、不正なプログラムが入り込んでしまう可能性もあります。

倉庫管理システムは閉鎖的なネットワークで使用されることが多く、さらに、ユーザ要件が大幅に変わることもないため、
Windows XPのパソコンやWindows Server 2003のサーバを長年にわたり使い続けている会社さんも多いかなと思います。
セキュリティ対策は、費用がかさむだけでなかなか効果の見えない領域ですので、今回のように世界的に大きな問題が発生しているタイミングを逃さずに、今まで不安に感じていた古いパソコンやサーバの更新を社内で提案してみてはいかがでしょうか。



(11:27)

2017年05月12日

こんにちは

まだ5月なのに、東京は昨日から夏のような暑さです
皆様の地域ではいかがでしょうか

先日、東京ビッグサイトで開催されているIT業界の大規模な展示会「Japan 
IT Week」に行ってきました。

今年の目的は、「セキュリティ」ということで乗り込んでみたら、会場にはデジャヴな光景が、、、。よく思い出してみると、去年もセキュリティ製品調査の目的で同じ会場に来ていました

一昔前は「Part 11」、ちょっと前は「PIC/S」、最近では「データインテグリティ」と、製薬業界に流行りがあるように、セキュリティ業界でもその時々の流行りがあるようです。

今回よく目にした言葉は「ランサムウェア」

なんとなく聞いたことがあるな~程度だったのですが、ふと通りかかったIPA(独立行政法人情報処理推進機構)のブースでちょうどその解説をしていたので、立ち寄って聞いてきました。

「ランサムウェア」とは、マルウェア(コンピュータウイルスなど悪意のあるプログラム)の一種で、2015年以降、被害が急増しているようです。

「ランサムウェア」に感染すると、パソコン内のファイルが暗号化されるなどして使えなくなってしまい、元に戻すためには「身代金(Ransom)」を支払わなければなりません。

「暗号化」はセキュリティ対策として幅広く利用されている技術ですが、それを逆手にとって不正が行われてしまっているんですね。

対策としては、一般的なウイルス対策が中心となるようです。
さらにランサムウェア対策では、バックアップ運用にも注意が必要とのことでした。

というのも、ランサムウェアはパソコンに接続している外付けハードディスクやUSBメモリ内のファイルも暗号化して使えなくしてしまうそうです。そのため、バックアップファイルをそのような媒体に保存していると、被害を受けた際にデータを復旧することさえできなくなってしまいます。


このような状況を防ぐために、
「バックアップする時のみ媒体をパソコンと接続してください」
とアドバイスがありました。

でも、それって、、、どうなんでしょうね。
会社で管理しているサーバは、実際には夜中に自動でバックアップをとることのほうが多いと思いますので、バックアップの時だけ接続というのは難しいような気もします。
とはいえ、会社の営業時間中には外すようにするだけでも、リスクを低くすることができるかなと思います。

皆さまの会社でもランサムウェア対策、この機会に一度ご検討していただければと思います。




(11:02)

2017年01月23日

こんにちは

先ほど、ブログで何の話題を取り上げようかな~とツイッターを覗いてみたら、薬局での偽造医薬品販売の話題で盛り上がっていました。(この時の記事はこちら
私の予想以上に、世間でも注目されているんですね

医薬品流通の仕組みにはあまり詳しくないのですが、「現金問屋」というキーワードも出てきているようです。
詳細な経緯はまだ調査中のようですが、「医薬品の非正規ルートからの購入」が発端となっているようです。

そこで今回は、このような状況に対し、GDP対応としてどのような対策を図ることができるのか考えてみました。

1)偽造医薬品発見のためのトレーニング
これが一番直接的な手段かなと思います。
今回も偽造医薬品の被害にあった製薬会社さんが、直ちに薬局や患者さんに対して、偽造医薬品の見分け方を公開し、注意を促していました。

PIC/S GDPでも、2.4.3項に
「訓練には、製品が正規品であるかどうかの識別や、供給経路内への偽造医薬品混入防止に関する考え方も含めること。」
と、偽造医薬品対応のためのトレーニングの必要性が具体的に記載されています。

日本ではあまり注目されていなかった項目かもしれませんが、これからは無視できなくなりそうです。


2)納入元、納入先の適格性の調査
PIC/S GDPでは、「デュー・デリジェンス(due diligence)」として、納入元の適格性を調査するよう言われています。
また、納入先についても転売の恐れがないかなどを確認するよう言われています。
(詳細はこちらを参照)

イギリスの査察機関であるMHRAからも、GDPにおいて医薬品のサプライチェーンの完全性をどのように保証すればよいか、 ブログ記事(
こちら)としてまとめられています。

私の印象では、GMP以上にGDPでは納入元、納入先の調査が重要視されているように感じています。 
今回のような偽造医薬品混入などが発生すると、その必要性を改めて思い知らされます。


3) 在庫管理と紛失時における調査の徹底
今回の件でいろいろ調べてみていると、非正規のルートが予想以上に業界内で浸透していることを知りました。
在庫の管理が不十分な施設では、そこから非正規のルートに 流れて行ってしまうこともあるようです。

PIC/S GDPでは、5.5.7項に
「各国の法令を考慮し、定期的に在庫の棚卸を実施しなければならない。在庫の不整合は調査、文書化し、必要があれば所轄官庁に報告しなければならない。」
となっています。

日本においても棚卸は目新しい作業ではなく、当たり前のように行われている作業かと思いますが、一般的には会計や資産に絡む管理が目的とされているのではないかなと思います。

しかし、GDPでは、不正流通防止の観点で必要とされています。廃棄処理で帳尻を合わせて完了、なんていうのはもってのほかです。
定期的に棚卸をしているから問題ない!ということではなく、不整合の調査までしっかり行う環境を整備し、医薬品が裏ルートへ流れることがないように、組織として対策を図ることが必要になるだろうと思っています。




(11:55)

2017年01月18日

おはようございます

今日はYahoo!ニュースの記事からご紹介からです
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170117-00000137-mai-soci

国内の調剤薬局で販売された薬から、偽造薬が発見されたようです

今までも偽造薬の報告がなかったわけではありませんが、個人輸入など購入者もある程度リスクを認識した上での購入がほとんどだったかなと思います。

そういった事例と比べると、今回は医薬品卸
(ただし、正規ルートではないようです 2017/1/23追記)を介した調剤薬局から購入しているということで、患者さんも何の疑いもなく服用してしまう危険性があります。

幸いにも今回は、錠剤の形が明らかに違っていたため患者さん自身で気付けたようですが、本物そっくりの偽造薬であった場合、知らず知らずのうちに偽造薬を服用していた、ということも今となっては否定できません。

今回のケースも含め、偽造薬として狙われるのは高価な薬が多いようです。
もし、そのような薬を服用している方がいらっしゃいましたら、いつもの薬と色や形が同じかどうか、開封された形跡がないどうかなど、入念なチェックでご自身を守っていただくようお願いします

ちょうど日本でGDPの動向が注目されている中でのこのニュース、当初の予想よりも厳しい規制となってしまうかもしれませんね
また、製薬会社さんによる医薬品卸さんに対する調査もきわどくなりそうです




(10:30)

2016年08月31日

こんにちは

昨日、というより今日の真夜中、某家電販売大手ヨド〇シさんでインターネットショッピングしました。

するとなんと、朝の9:30には私の手元に商品が届いているのです!
なんとかギリギリ私が先に会社に到着できていたのですが、落ち着く間もなくというタイミングでした。

これで配送料が無料とは、本当にすごいですね。

しかも、荷物受け取り前後にそれぞれ、「何時に届きますよ」メールと「お渡ししましたよ」メールまで届き、手厚いサービスにこちらがついていけないくらいです。

どんな物流の仕組みになっているかが気になり配送ラベルを見てみると、有名どころの配送会社の名前は見当たらず、「ヨド〇シエクスプレスメール便」とだけ書かれています。

インターネットで調べてみたところ、駅前など立地の良い店舗を物流拠点として活用しながら、自社配送で超短時間のお届けを可能にしているそうです。
(参照元:http://news.livedoor.com/article/detail/11015256/

利用者にとってはとても便利になっている一方で、働いている方々は大変なんだろうなぁと、裏側の方々の心配もしてしまいます。

システムが止まってしまったら、、、なんてことを考えると他人事ではありません。荷物が早く届くことに感謝しながらも、物流業界の急成長に戸惑っているこの頃です。




(11:01)

2016年08月26日

こんにちは

先日、yahoo!ニュースで「偽造薬」という言葉を目にして、とっさに反応してしまいました。

「偽造薬」は、今話題のGDP(Good Distribution Practive:医薬品の流通に関する基準)でも主要なテーマとして位置付けられていますね。

そのニュース記事では、今年の4月に薬物の過剰摂取で亡くなったアメリカの某ミュージシャンの死因が、偽造薬摂取によるものである可能性が高いということでした。
通常出回っている鎮痛剤の包装で、モルヒネの100倍以上強力なフェンタニルという成分が入った薬が所持品から見つかったそうです。

入手経路がまだ明らかになっていないため本人が知っていて摂取したかどうかはわかりませんが、今回の件で偽造薬の恐ろしさを怖いほど実感しました。

世の中に本物と簡単に見分けがつかない形でそのような危険な薬が出回っているとなると、製薬会社側は包装や刻印などを工夫して、患者さん自身で本物かどうかを見分ける手段も必要になってくるだろうと思います。

今回の件で一般の方々にも偽造薬の恐ろしさを理解してもらえたのではないでしょうか。
GDPでの規制強化などで、全世界的に偽造薬を排除するような仕組みが構築されていくことを強く望んでいます。




(11:05)