2018年03月

2018年03月26日

こんにちは

すっかり桜が満開の季節となりましたね

さて、今回は以前より何度かお世話になっている海外のサイトで気になった記事をご紹介しようと思います。

お客様のバリデーションをご支援する際は、ユーザ要求仕様書(URS)の作成からPQテスト、更には運用マニュアルの作成に至るまで、随所でしつこいくらいバックアップを取り上げるようにしています。

しかし、バックアップはIT部門に任せているからとか、クラウド環境だからベンダーにまかせっきりとか、そのような理由でバリデーションの範囲外とされてしまうこともあるようです。

個人的には、バックアップ環境の確立などはインフラ同様にクオリフィケーションで対応することで良いかもしれませんが、対象システムのバックアップ運用が機能するかどうかについては、少なくともそれを保証するための資料をまとめておくべきではないかなと思っています。

今回ご紹介する記事では、DI(データインテグリティ)の観点でバックアップが取り上げられています。今回の記事を参考に、皆様の会社でお使いのシステムについて、バックアップ運用を再確認して頂けたらと思います。


★★★ ここから http://learnaboutgmp.com/ の翻訳です ★★★

<ITバックアップのデータインテグリティを保証する8つの実績のある戦略>

特に断りのない限り、「バックアップ」とは、災害復旧のために日常の業務で使用され、維持されるバックアップコピーのことをいいます。

次の8つのポイントに注意すること:

1. バックアップ手順はデータインテグリティを保証しなければならない。

2. バックアップは網羅性と正確性のために確認される必要がある(例えば、チェックサムやバイナリ比較)。

3. バックアップはすべてのGMP関連文書を再構成できるように設定されること。

4. バックアップは、ダメージから保護される必要がある。例えば、環境面で管理された施設

5. バックアップは、セキュリティを含め、全ての統制に従って管理されなければならない。

6. バックアップの物理的な場所は、原本の紛失、破損、侵害に備え、最大限に事業を継続できるように、原本と離すこと。

7. バックアップ及びリストアの過程をバリデーションすること。

8. バリデーションされたシステムでは、バックアップシステムの変更で再バリデーションが必要となることもある。すべての場合において、変更管理にてバックアップファイルの可用性及びインテグリティを保証すること。


<完>

★★★ 
http://learnaboutgmp.com/ の翻訳ここまでです ★★★
個人的に翻訳したものなので、誤りがありましたら申し訳ございません。
読者の皆さまご本人の責任でご判断をお願いします。

情報元:Learnaboutgmpのサイトより
http://learnaboutgmp.com/eight-proven-strategies-ensure-backup-data-integrity-video/




(15:26)

2018年03月20日

こんにちは

最近は暖かくなったかと思えばまた寒さが戻ったりで、毎朝服装に悩まされます。玄関のドアを開けて失敗したと後悔したまま一日を過ごすことも度々

このような気候で体調を崩してしまうことがないように、皆様はしっかり休養をとりながら年度末を乗り切ってくださいね



さて、今回はデータインテグリティに関するMHRA(※1)のブログ Part 2の最終回です。

★★★ ここからhttps://mhrainspectorate.blog.gov.uk/の翻訳です ★★★

社風の変化

今回の話では、ジェーンは新人QC分析者として紹介されていますが、このようなことは、物流から製造のどの部門でも起こり得ます。最前線の従業員は、マネージャーに必ずしも十分理解されることのない過度なプレッシャーに直面しています。彼らはたいていの場合、必要な変更を実行に移すことができず、品質よりも結果に価値を置く社風により、率直に話したがらないかもしれません。


ジェーンの経験:もう一つのシナリオ

「望ましくない知らせ」を品質改善の機会とマネージャーがみなす環境でジェーンが働いていると想像してみてください。品質に対する責任が企業理念の中の言葉であるだけではなく、組織のあらゆるレベルで実践されます。

ジェーンは矛盾した結果を報告し、規格外範囲外の手順に従って対応する権限を与えられています。これは、分析が正しい、つまり製造過程の混合不良が問題であることを表しています。そのバッチは不合格となりますが、患者を保護し、会社を風評被害から救うことになるため、彼女の努力は報われます。調査によって製造工程を改善でき、さらなる不良(及び変更後のQCテストにおけるプレッシャー)を削減します。


ジェーンの経験からの教訓

本ブログ記事の読者には、組織における品質文化を評価することを奨励します。ジェーンの経験はあなたの職場でも起こり得るでしょうか。

新年度に向けた上層経営者の決意は、現行のパフォーマンス指標の安定性をレビューしたり、
最前線の担当者とともに日常業務の課題を理解しようとすることによって、有効に生かされるでしょう。そうすることで、従業員は経営層とのつながりを感じ、どんなに経験が浅くとも、彼らの声を聞いてもらえ、価値あると感じます。



<完>

★★★ https://mhrainspectorate.blog.gov.uk/の翻訳ここまでです ★★★
個人的に翻訳したものなので、誤りがありましたら申し訳ございません。
読者の皆さまご本人の責任でご判断をお願いします。

情報元:HMRAのHPより
https://mhrainspectorate.blog.gov.uk/2017/03/30/too-much-pressure-a-behavioural-approach-to-data-integrity-part-2/


データインテグリティというと、どうしてもコンピュータ化システムと関連付けて考えてしまいがちですが、
今回のMHRAのブログを読んでみると、規制当局が一番懸念しているのはそういうことだけではなさそうですね。


もちろん、データの完全性を担保することができるコンピュータ化システム(例えば、今回のジェーンの場合では、不採用とした分析結果も抹消せずに記録として残す機能など)も重要ですが、それ以上にデータに関わる利害関係者のモラルや意識が重要だと理解することができます。

最前線の担当者が快適に自分の業務に従事でき、上下関係を意識せずになんでも言い合えるコミュニケーションを図れる職場環境を築くことが、DIを実現するための第一歩なんでしょうね。

皆様の職場環境はいかがでしょうか。
DIに取り組まれている会社さんは、こういう観点からも確認してみるといいかもしれませんね。



※1:
MHRAとは、
イギリスの医薬品・医療製品規制庁(The Medicines and Healthcare products Regulatory Agency)、
日本のPMDA(医薬品医療機器総合機構)のような役割を担う組織です。




(14:32)

2018年03月13日

こんにちは

世間では財務省の文書書改ざんが大きな話題となっていますね。

製薬業界では、製造記録の改ざんや偽造医薬品流通経路混入など、良くない出来事が続き日本の信頼性が失われつつある状況の中で、今回の問題がさらに追い打ちをかけるような出来事となってしまい、本当に残念です。

日本人の立場でこの問題を考えると、一部の人たちの行為だと捉えることができますが、海外からは「日本人」ひとくくりで見られてしまっているのが実状ではないでしょうか。

グローバル化が叫ばれるようになって久しい昨今、日本から外に目を向けるだけではなく、外から日本を見つめ直すことも必要なのではないかなと感じています。




さて、今回も前回に引き続き、データインテグリティに関するMHRA(※1)のブログ Part 2のご紹介です。

★★★ ここからhttps://mhrainspectorate.blog.gov.uk/の翻訳です ★★★

潜在的な問題への取り組み

会社はジェーンに製造プロセスが完全ではないと理解させることができず、問題を対処することもできず、それによって彼女が正確に仕事をすることを困難にしました。上層経営者はインテグリティが効率化よりも価値があるということを保証する責任を果たせませんでした。第一線の分析担当者は重大な責任を負うこととなりますが、彼らは多くの場合新人であるため、しばしば業務全般にわたって監督されます。誰がデータインテグリティの保証に対して
重大な責任を負うべきでしょうか。不運にも、それはしばしば下図右のピラミッドにより近いものであると認識されます。つまり、品質文化を実践する上で好ましい方策ではなく、第一線スタッフの仕事に対するやりがいを損なうような階層構成です。

品質文化を実践し、仕事のやりがいを保証するのは、行動よりも言う方が簡単です。しかし、経営陣による比較的ささいなな行動が日常業務において大きな違いを生じさせることもあります。上層経営者は、気軽に作業現場を訪問することによって、役員室からは見えない業務の課題を理解できるようになります。データのごまかしを正当化するような個人の技量は、全ての従業員が確実に「患者への目」をもち、彼ら自身の行動がもたらす影響をしっかり理解することにより、減少させることができます。上層経営者は、問題あるテスト手法を一から修正し、時代遅れの装置やソフトウェアを更新し、オープンな逸脱報告を奨励し、速さよりも正しい行動を報いを与える権力を持っています。



つづく

★★★ https://mhrainspectorate.blog.gov.uk/の翻訳ここまでです ★★★
個人的に翻訳したものなので、誤りがありましたら申し訳ございません。
読者の皆さまご本人の責任でご判断をお願いします。

情報元:HMRAのHPより
https://mhrainspectorate.blog.gov.uk/2017/03/30/too-much-pressure-a-behavioural-approach-to-data-integrity-part-2/


※1:
MHRAとは、
イギリスの医薬品・医療製品規制庁(The Medicines and Healthcare products Regulatory Agency)、
日本のPMDA(医薬品医療機器総合機構)のような役割を担う組織です。




(15:09)

2018年03月07日

こんにちは

今年も花粉症の季節がやってきましたね。

花粉症対策に何か良いものがないかなぁと探していたら、ヨーグルトとかお茶とか、前回話題に挙げたチアシードなんかも症状が和らぐと紹介されています。どこまで信用できるのかなぁともう少し調べてみると、ちょっと古い情報ですが、厚生労働省からこんな情報が発信されていました。

残念ながら、ヨーグルトもお茶も実際の効果は不明とのことです「(抜粋)ヨーグルトを毎日食べるブルガリアの人でもアレルギーの病気はありますので」と言われてしまうと、納得せざるを得ません。

食べ物に頼るよりは、マスクやうがいなど物理的に花粉から距離を置く対策の方が効果が期待できるようです。

ギリギリ花粉症になっていない方も、油断は禁物です
何とか無事に花粉症の季節をみんなで乗り切りましょう


さて今回も、前回に引き続きデータインテグリティに関するMHRA(※1)のブログ Part 2のご紹介です。

★★★ ここからhttps://mhrainspectorate.blog.gov.uk/の翻訳です ★★★

行動の動機と正当化

最終的に、ジェーンの決定は以下の要因に影響を受けるでしょう。

こちらにある図と見比べながら確認してください)
上(重要度の高いもの)から順に、

・仕事の満足度
・職場の品質文化(Quality culture)
・器具の使用法
・トレーニング


ジェーンはどうする?


不本意な決定でしたが、ジェーンは失敗したサンプルをすでに許容範囲内と判定されたサンプルで置き換え、一連のサンプルの続きから再開しました。その製品が何年にもわたって問題なく製造されている中で、新人分析担当者の身分で製造部門の能力に疑問を呈するなんて彼女ができるでしょうか?ジェーンは、経営層が結果に求めるものを理解しながら、問題のある分析法や分析装置によりプレッシャーが増大しているのを感じていました。ジェーンは初回の結果に疑問を持たれないだろう確信していました。マネージャーが確認したデータは、彼女が提示した一連の印刷物だけでした。


つづく

★★★ https://mhrainspectorate.blog.gov.uk/の翻訳ここまでです ★★★
個人的に翻訳したものなので、誤りがありましたら申し訳ございません。
読者の皆さまご本人の責任でご判断をお願いします。

情報元:HMRAのHPより
https://mhrainspectorate.blog.gov.uk/2017/03/30/too-much-pressure-a-behavioural-approach-to-data-integrity-part-2/


※1:
MHRAとは、
イギリスの医薬品・医療製品規制庁(The Medicines and Healthcare products Regulatory Agency)、
日本のPMDA(医薬品医療機器総合機構)のような役割を担う組織です。




(11:22)